ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
ヒソヒソ話をしていた看護師さんの一人が急に立ち上がったのか
椅子のキャスターが転がる音に続いて椅子の座面が跳ね上がるような鈍い音までもが聞こえてきた。
「ちょっと、それだけじゃないのよ。その女医さんをさ、日詠先生が間一髪助けて、暫くの間彼女を抱きしめてたって・・・・」
「えっ~!!!日詠先生って、産科の?マジで?・・その女研修医となんかワケありってヤツ?凄いショック・・・・」
さっきまでやや低めのテンションだった看護師さんの声のトーンが一気に上がるとともに
ナースステーションから廊下に差し込んでいた一筋の光が不規則に円を描きながら宙を舞っていた。
おそらく病棟見回りの時に看護師さんが手にしている懐中電灯らしき光が。
「あーラウンド、もうちょっと後にしよっと。ねえ、詳しく教えてよ。その話!!!」
「やっぱ、聞きたいんじゃん・・それがさ~」
その光が時折廊下で立ち止まっている自分のほうに向かってくるような錯覚を覚えるぐらい彼女らの会話に対してビクビクしていた私。
屋上から飛び降りようとした女研修医
日詠先生
そして
・・・・・ワケあり
彼女らが口にした人物名そしてセンテンス
それらに身に覚えがある私は彼女らに自分の姿が見えていないはずなのに
宙を舞う一筋の光によって自分が彼女らに追いかけられているような気になっていた。