ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
「日詠先生・・・」
『えっ?』
「ここで寝ていたんですか?」
『あっ、ああ・・・』
「学会のスライド、作ってみたんですけど・・・」
USBメモリーを手にしている美咲が申し訳なさそうに声をかけてきた。
この前の弛緩出血でのトラブルによって落ち込んでいた様子の彼女だったが、奥野さんにフォローしてもらいながら自分がすべきことに再び取り組み始めたようだ。
『ああ、見ておくよ。』
「すみません・・・宜しくお願いします。」
『わかった。』
USBメモリーを受け取った後、シャワーでも浴びてこようと立ち上がろうとした際に、眠気が残っていたせいか若干ふらついた。
「大丈夫ですか、日詠先生?」
『ああ・・・』
「さっき、うなされていました。レイナ・・って言いながら。」
『・・・・はは。』
うとうとしていただけだと思っていたのに
美咲が傍まで来ていたことすら気がついていないぐらい眠ってたんだな
やっぱりちゃんとベッドで横になって休まないといけない
でも、伶菜達のいない自宅に帰りたいと思えない
伶菜を手放しかけているというのにそう思うのは
矛盾してるよな、俺
「レイナ・・さんと・・上手くいってないんですか?」
『えっ?』
「恋人ですよね?・・レイナさん。」
情けない顔で苦笑いするしかない俺に美咲は心配そうな顔で核心を突いてきた。