ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




『・・・・・・・・・』




ナオフミさん?!

今、喋ったの、ナオフミさんだよね?


今、ナオフミさんが答えてあげなきゃいけないのは
彼が美咲さんのコトをどう想っているかのはずなのに


伶菜のコト
ワタシのコトだけがスキだからって・・・・

スキだからって・・・・・



しかも

美咲さんの前で

森村医師や松浦先生のいる前で

リハビリスタッフルームに繋がる廊下という
オープンなスペースで



そんな言葉


ナオフミさんが言うの
ありえないでしょ?



だって彼は
人前では至ってクールで
私の前では照れ屋さんな傾向があるんだから

伶菜のコトだけがスキだなんて
そういうコト言っちゃうのなんて
そういうの

・・・あり得ないでしょう?



だからワタシ
自分の耳を疑ってしまう


そんな言葉を
こんな空気の中で
本当にナオフミさんが言ってるのかを







「だから、今から信じればいい」





グイッ!!!!




またまたナオフミさんによって強く引き寄せられた私の右腕。


正直言って嬉しい

ナオフミさんの口から
面と向かって
スキだと言われたの
初めてだったから・・・


今でも信じられない




でも、ワタシ・・・


今のままナオフミさんに導かれるがままについていってしまったら
私のコトをスキだと思ってくれているであろう森村医師との関係も
“誰かの役に立ちたい”という自分の未来への想いも
・・・・なにもかも中途半端になりそうな気がして



だから、ワタシ・・・


『・・・・・・・・・・』



嬉しいけれど
なりふり構わずにナオフミさんについていくことなんて
できない





グイッ!!!!





「伶菜、”一緒に行く”・・・そう思うんだ」






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