ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




白衣を身に纏ったまま深々と頭を下げていた美咲さんの頭上からついつい彼女に問いかけてしまった私。

心あたりがなかったわけじゃないから・・・私はついそんな失礼なことをしてしまった


心あたり

それは


“高梨さん、私、この1週間、昨日までずっと日詠先生と一緒にいました。”


という彼女からの言葉



その言葉を耳にした瞬間、
私は彼女に対してどういう反応をしたらよいのかわからずにただ戸惑うことしかできなかったから・・・





「・・・ハイ、私、日詠先生の中に私への恋愛感情なんてないの、わかってました。でも、もしかしたら、高梨さんが自ら身を引いて下さったのならもしかして、なんてそんなズルイこと考えちゃってました。でも・・・」




相変わらず頭を深く下げたまま私へそう語りかけた美咲さん。






前にもこんなようなことがあったっけ?

ナオフミさんと私の関係を引き裂こうとする行動が・・・


でもその時は

ナオフミさんの産科医師としての手腕を手に入れたい三宅女史によって仕組まれた罠だったけれど



「例え、高梨さんが日詠先生の傍から身を引こうとしても、きっと、日詠先生は高梨さんを離したりはしない・・・それを思い知らされちゃったから・・・私も森村先生と同様に完敗です・・・・・本当にゴメンなさい・・・」





今のアナタは

三宅女史のような私利私欲目的でワタシを試したわけなんかじゃなく

ナオフミさんのことを本気でスキになったから


だから

そんなことをしちゃったんですよね



アナタはズルくなんてないです



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