ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


本当にズルイのは




一緒に歩んで行こうと手を引いてくれている彼に
自分の中で育ち始めている譲れない想いを伝えられないままでいる

『美咲さん、もう頭を上げて下さい、謝らないで下さい・・・』

ワタシなんだから・・・



だから、ワタシは試されて当然

むしろ美咲さんのそんな行動に感謝しなきゃ





だって

これでようやく

自分の中にだけに閉じ込めておいたままでいた想いを

ナオフミさんにもちゃんと伝える勇気が出てきたんだから・・・







「でも・・・・」


『いいんです、私も、ナオフミさんにも言えずにいたことがあるから。』





ようやく顔を上げ、今にも泣き出しそうな顔をしていた美咲さんに私はそう声をかけてしまった。







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