ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Hiei's eye 25: 器の大きい彼と生真面目な彼女によってもたらされたモノ



【Hiei's eye 25: 器の大きい彼と生真面目な彼女によってもたらされたモノ】





美咲に俺のことがスキだということを聞かされた伶菜。

この環境で伶菜が居続けることは彼女に余計な負担がかかるだけでなく、
自分との距離が更に広がってしまうと考えた俺は
彼女をここから連れ出してしまおう
そんな自分勝手なことを考えた。


その後、時間差で現れた森村医師に、今、退院することはリハビリ中断による危険性を説明されたけれど、リハビリを学んだ俺がなんとかすればいい
そう考えた俺は美咲や森村医師の想いなんてそっちのけで


『伶菜、”一緒に行く”・・・そう思うんだ』


伶菜をその場から連れ出した。



でも、このまま、自分のすべきことを放り投げて伶菜を自宅へ連れ帰ったらまた同じことを繰り返す
自分の産科医師という立場をなげうって伶菜と駆け落ちしようとしたあの時と同じ。



今度はそういうわけにはいかない

伶菜と結婚して
ここでやっていくって決めたんだ

自分の置かれている立場や役割にもきちんと対処した上で
伶菜とちゃんと向き合わなければいけない


そう思った俺は、

『スミマセン。遅くなりました。皆さんにご報告・・いえお願いがあります。』

まずは自分の患者イコール妊婦に
3日間、自分のために自分の時間を使いたいことを説明し、了承してもらうことにした。


伶菜にも、そういう手順を踏むことで、じっくり向き合う時間を作ることができるということを理解してもらうために
彼女のいる前で妊婦達に話し始めた。


< 373 / 542 >

この作品をシェア

pagetop