ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



「おう、あの人、いやあのオジサンに愛想つかしたらいつでもオレの胸に飛び込んでこいな。高梨さん・・じゃなくて、レイナ♪」

「ヤツが浮気とかしてたら逐一、レイナに報告してやるから。」



こうやって冗談を言ったりして
伶菜や俺が彼に気を遣わずにすむような逃げ場を作ってくれるような
そんな気遣いができる人間でもありそうだから


仕方がないよな

彼が伶菜の傍にいようとしても


主治医として
ひとりの友人として
彼女の傍に居てくれることは
歓迎しなきゃいけないんだよな


きっと・・・






「いやあ、これからようやく面白くなりそうだな・・・・人の不幸は蜜の味ってきっとこういうコトなんだろうな♪楽しみにしてるぜ・・・蜜の味ってヤツをね・・それまでにしっかり完璧にレイナの手、治してやるからな・・・・そうしたら、レイナは今度こそ、俺様のものになる!!!覚えておいてくれよ~。じゃな、レイナ♪」

『・・・・・・』




人の不幸は密の味
レイナは今度こそ、俺様のものになる!!!

おまけに投げkissまで?!

どこまで冗談なんだ?
いつから、レイナって呼んでいるんだ?


彼女が惹かれても仕方がない人間
それを認めずにはいられない
という前言撤回




『・・・ったく・・レイナなんて、呼び捨てしやがって・・・』


ついこぼしてしまった彼に対する文句の呟きに溜息混じりの反応した妊婦さん達の存在によって公の場で恥ずかしい姿をさらし続けていたことをようやく再認識した俺。





でも、森村医師の完敗宣言によってこれでゆっくりと伶菜と向き合う時間ができたと安堵し始めた最中、


「あの、高梨さん・・・私・・・」


伶菜に話しかけようとしている美咲の存在によって
俺の胸の中のモヤモヤ感が再燃した。

俺はまだ安堵している場合ではなかった・・・と。





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