ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来





「・・これ。食う?ちょっと、潰れちゃったけどな。」


手招きに導かれるがままにベンチに腰掛けた私に
白衣のポケットから取り出したメロンパンを差し出した彼。



『・・・いいの?』

「ああ、お前、、リハビリ後でハラ減ったろ?しかも、これ、ルシェルの。福本さんからの差し入れ。」

『ルシェル?!・・・・いつも売り切れなのによく買えたね・・でも・・・』







グルグルグルッ・・・・・





突然鳴り響いた自分のお腹の音。

恥ずかしさのあまりに
その音をごまかすような身代わりになるような物があるかをそっと見回したけれど

雲ひとつないすっきりとした青空の下では
カミナリグモもカエルもすぐ傍には見当たらず・・・・。

自分のお腹の音ではないと否定することを諦めた私は
ただただ顔を赤くして俯くしかなかった。




「・・・ふっ、はい、これ。やっぱハラ減ってるだろ?はんぶんこならいいだろ?」








彼は笑いを押し殺しながら持っていたメロンパンを丁寧にはんぶんこして私に差し出してくれた。

私は赤い顔をしたまま怪我していない右手でそれを受け取った。
彼とはんぶんこしたメロンパンを。



「さあ、食おう。」


さっきまでの"四角関係、揃い踏み"な緊張状態が嘘のように屈託のない笑顔を浮かべながらメロンパンをかじった彼。

これも私だけが知っているであろうプライベートな彼の横顔。




「ほら、食えって。俺が食べちゃうぞ、ルシェルのメロンパン!」



このまま彼と一緒にいれば

この横顔もずっと見ていられる




「そういえばさ、お前と初めてじっくり話をした時も、今みたいにココで、メロンパンを食ってたよなあ・・・」




ささやかだけど

それもワタシの幸せの一部




彼は私に傍に居て欲しいと思うのは自分のワガママだって言ったけど

そんなコトない





本当は



ホントウは



ワタシもアナタの傍に居たい





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