ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


プレイルームで見つけた
これからの未来、自分が歩みたい道


それについて
ナオフミさんには何も言ってないのに


なんでナオフミさんは
それに気がついたの?





「・・・今のお前、あの頃のお袋と同じ顔してるから。プレイルームで子供達と向き合ってた頃のお袋にな。」


彼は穏やかな声で私にそう語りかけた直後、目を閉じゆっくりと頷いた。
その姿は瞼の裏に母親の姿を思い起こしているかのようにも見えた。



そして私も彼と同じように
目を閉じ、在りし日の母の面影を思い起こしながら
プレイルームで働いている母親の姿を自分なりに想像してみた。


私の瞼の裏側には
病気と闘う子供達と共に
遊び、歌い、そして笑いながら
温かい空気を作り出す
母親の姿が鮮明に映し出された


その姿はまさに
これからの自分がなりたい姿
そのものに思えて仕方がなかった


私がなりたい自分は
母親の保育士という職種とは異なる職種だけど
母親みたいに病気と闘う人達に寄り添う人になりたい



自分がなりたい姿
イコール
自分が歩みたい道





それが私の瞼の裏側に
鮮明に映ってしまった。





「だから、お前はワガママなんかじゃない。」







ヒクッ、ヒクッ、、、





「だから、もう泣くな。・・・もう引き留めたりなんてズルイ真似なんかしないから。」





ヒクッ、、、、ヒクッ、、、、ヒクッ・・・ウウウウ・・・・





私はベンチに腰掛けたまま
ナオフミさんの大きな胸の中で
思いっきり泣いた。


彼はしばらくの間、何も言わずに
私を包み込むように抱きしめていてくれた。


温かい彼の体温と共に
爽やかなグレープフルーツミントの
彼独特の香りが
優しく私の鼻をくすぐった。





このまま
時が止まってしまえばいい


そう思えてしまうぐらい
そこは
彼の胸の中は居心地が良過ぎた。




でも

もう彼に
寄りかかってはいけない


自分で決めたことだから


もう泣くのはやめて
ちゃんと伝えなきゃ・・・・






『ナオフミさん、私・・・』



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