ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
「ンんんん、はあ・・・だ、誰?」
『ほっとけ・・・って言いたいところだけど、引き下がらんだろうな。』
それでも伶菜とこのままじゃれ合っていたい
伶菜と駆け落ちすることと引き換えに職場に留まるという条件で与えてもらえた休暇なんだ
あともう少しだけでもいいから日常からかけ離れた過ごし方をしたい
『・・・ゴメン、ちょっと行ってくる。』
「・・・・・・」
『すぐに戻るから、このままココにいて。』
今ぐらいはそうぶちまけてもバチは当たらないだろう
伶菜にこんな不安そうな顔をさせたくもない
俺が見たいのは、彼女の穏やかな顔
それだけなんだ
だから、俺はドアのほうへ向かう
『ルームサービス、頼んでませんけど。』
次はいつ得られるかわからない
多忙な俺と伶菜
ふたりで過ごす今という時間を手放さないために・・・
ドア越しにルームサービス頼んでいないと声をかけても、
昨日、チャペルやホテルの手配をしてくれたことに対するお礼を言っても、
昨日の夜中、俺の携帯電話を鳴らしていたかどうか確認しても、
ドアの向こう側からの返事がない。
いつもの入江さんなら、聞き流すとか無視するとか
そんなことをするとは思えない
だとしたら
何か考え込んでいるのか?
俺が思っているよりも、何か重大なコトを抱えているのか?
そんなことを考え始めた矢先、
「ああ、こんな朝から悪いな、日詠。悪いけど開けてくれるか?お前に助けて欲しいんだ・・・」
普段あまり耳にしたことがないような、腹の底から搾り出すような声で入江さんはようやく声を発した。