ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


「ナオフミさん、なんで、それ」

『・・・今のお前、あの頃のお袋と同じ顔してるから。プレイルームで子供達と向き合ってた頃のお袋にな。』

『だから、お前はワガママなんかじゃない。』

『だから、もう泣くな。・・・もう引き留めたりなんてズルイ真似なんかしないから。』



愛しぬくために
別れを選ぶことも
きっと俺のやり方



「私、これからは、ひとりの大人として、ちゃんとする。」

「祐希を育てながら、勉強もして自分の進みたい道を必ず歩む。」

「だから、心配しなくていいから。」



お互いがまだ幼い頃だったけれど
俺達は一度は別れを選んだんだ



「でも、ナオフミさんは、デスクの上で居眠りなんかしないで、ちゃんとベッドの上で休んでよ。」

「・・・私達が居ないからって、ゴハン作るの、手を抜いちゃダメだよ。」

「・・・・出勤前にお風呂場の窓、、閉めるの忘れないで。」

「・・・・・・・冷蔵庫の製氷機の水、毎日ちゃんと入れてね。」

「・・・・・・・・・・あとね、甘いモノ、買いすぎちゃ、、、ダメだよ。」



でも、再び出逢って、
こんなにもお互いのことを理解して、
こうやって同じ場所にいることができた


それは揺るぎない事実
そして
俺の背中を押してくれる事実



「まだ、まだ、最後まで言って、ないよお・・・」



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