ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




それから2時間ぐらい経っただろうか・・・


「こんにちは~、お久しぶりです~杉浦真里です!!!」

『フルネーム・・・』

「久しぶりの再会で、第一声がそれですか?!」

『真里さん、変わってないと思って。』



伶菜の大学時代からの親友である真里さんが俺の外来診察にやって来た。

ずっとアメリカ駐在だったせいか、それとも元来の性格のせいなのか
しっかりとした自己主張も相変わらずだ

そんな彼女の突然の外来受診
こういうこと、前にもあったな
そういえば、伶菜が妊婦だった頃、真里さんは子宮がん検診に来たと言いながら伶菜の近況を俺に教えに来てくれた
そういうことがあったよな

だから今回も子宮がん検診希望はあくまでも表向きな受診理由だろう



『それで、ご用件・・・いえ、気になる症状は?』


こんなこと、聴くまでもないだろうけれど
ここは診察室だ
一応、受診理由を聴いておかなければならないよな


「ご用件ぐらい察しがつくでしょ?」


伶菜の件、一択だよな
でも、伶菜が俺のもとからいなくなって
もう2年も経つんだ


迅速かつ冷静に行動できる彼女を知っている俺には
2年前の伶菜の件で、今頃、真里さんが俺に異議申し立てしにきているとは思えない

だったら、用件はなんだ?



『子宮がん検診・・・ですよね。以前と同じように。』

「本当にそれでいいの、日詠センセ? 福本さんからも情報、何も得られていないんでしょう?」



現在進行形の用件か?
しかも、福本さんの名前を挙げてくるということは間違いなく伶菜に関する要件だな


「言っておくけど、伶菜からここに行ってくれとか言われてないから!」


伶菜の近況情報を持っているけど
伶菜公認でここに来たわけではない
そういうことか

でも、真里さんがこうやって現れたということは
真里さんでもどうにもできないようなことが
伶菜に起きているのか?



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