ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



何処に行くの?

遅れてゴメンなんてアナタが言ったから
ワタシに会いに来てくれたかと思ったのに
このまま何処かに行ってしまうの?


アナタの手を離してしまったのはワタシだったクセに
アナタを感じてしまった今
もうどこにも行かないで・・・・なんて
あまりにも矛盾した想いに駆られてる


あまりにも自分に都合よく考えてるワタシに
神様は呆れてしまって
ワタシからアナタを遠ざけてしまおうとしているのかな?


せめて今ここで
ちゃんとアナタと向き合って
謝ればよかった

アナタの後ろ姿を目にすると
また・・・アナタが
いろいろな哀しみを背負ったまま
どこかに行ってしまいそうで



ワタシ
ドウシタライイ、ノ・・・・?






「坂田院長。無理なコトをお願いして本当に申し訳ありませんでした。」


「・・・・いや、ウチとしては残念だが仕方ない。奥野クンからも日詠クンが望むようにしたほうがいいからって説得されてね・・・・」



自分達がいる場所が
自分が勤務することになった病院の院長室であるということがすっかり頭の中から消えていた私。

それを思い出させてくれたのは
坂田院長の前でお詫びの言葉と共に深々と頭を下げたナオフミさんの後ろ姿だった。



なんだ・・・

やっぱりナオフミさん
ワタシに会いにきたワケなんかじゃなくて
院長に話があってここに来ただけなんだ



そうだよね

だって
ナオフミさんが勤務してるあの病院の屋上で
お互いに離ればなれになったあの時以来
ナオフミさんとワタシは
一度も会ったことがなかったし


ワタシに会いに来たなんて
ホント
ワタシの勝手な願望だったりしたワケだよね



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