ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
本当ならば、今すぐにでも泣いている様子の彼女を抱きしめたい
でも、3年という長い間離れていたんだ
しかも俺達は別れを選んだ
彼女を無条件で抱きしめていい権利なんて
今の俺にはどこにもない
だとしたら今の俺がすべきことはただひとつ
公私混同まがいと思われるかもしれないけれど
それでも、これからの俺にはどうしても必要なんだ
臨床心理士という立場の
"公の伶菜" が・・・
『坂田院長。無理なコトをお願いして本当に申し訳ありませんでした。』
「・・・・いや、ウチとしては残念だが仕方ない。奥野クンからも日詠クンが望むようにしたほうがいいからって説得されてね・・・・」
『本当に申し訳ありませんでした。』
「いや、そんなにも謝らないでくれ。それに奥野クンの話から想像すると、実力を発揮するにはウチよりもそっちのほうがいいかもと思い始めたしね・・・・・中川院長にもよろしく伝えてくれるかな?」
『ハイ・・・坂田院長のご配慮、心より感謝します。必ずひとりでも多くの患者さんを救えるようなシステムを構築していくように、一緒に頑張りますから。』
今は公私混同となじられるかもしれない
それでも
これからは、
始まりは公私混同だったけれど
公も私も、それぞれちゃんとしている
そう認められるように・・・