ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




私の身体を優しく包んだ大きな白衣。
それはついさっきまでナオフミさんが身に纏っていたもの。
間違いない
だって彼の香りが私の鼻を心地よくくすぐってるし

4月といえども、まだ少し肌寒いから
彼の白衣は本当に温かい


こういう気遣いは
変わっていないんだね

そんな彼とまた一緒にいられるんだ
今度こそ彼をダンナ様って思っていいんだ


自分の夢も大切だけど
資格は消えたりはしない
夢を叶えるのは今じゃなくてもいい

まずは彼と一緒に過ごせる時間を大切にしたい



「伶菜、お前、自分の夢を諦めるなんて考えてるだろ?」


『へっ?!』



す、鋭い・・・



「あとさ、お前、俺の野望とかも知らないだろ?」


『はっ?!』



や、、野望?!




最近新発売になったルシャルの直径30センチメガメロンパンをひとりで全部食べる・・・とか?
縦型の全自動洗濯乾燥機から念願のドラム式全自動洗濯乾燥機に買い換える・・とか・・

いや違うな・・・

猫、猫飼うために今のマンションから引っ越す・・とか・・・

そうだよ・・・一緒に暮らしてた頃、久しぶりの休日に本棚を買いに行くとかいってホームセンターにでかけたのに、隣のエリアにあったペットショップでアメリカンショートヘアをじーっと見つめてたモン


私が骨折で入院している時に
彼に押し迫ってきた女性看護師さんに
“猫を飼っている”なんて、口から出まかせを言ってたぐらいだし・・・




そうだ、そうに違いない!




『知ってます!』


自分の白衣の上に大きな白衣を重ねられているという不思議な姿で拳を握った私にイジワルっぽく微笑みかけた彼。




『とうとうアメショーを飼うんですよね!』


「・・・・・・・・・・」





ふっ・・ふははは・・・・


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