ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来






「でも、それが俺だけの願いだけなら・・・これはかえって迷惑だよな・・・」


彼が私の胸元から指で掬い上げた指輪。

もしかして、彼はその指輪を外そうとするかもしれない
そんなことを思った私は彼のその手を力強く掴んだ。

『このままがいい』

彼がそれを外してしまわないように。



そして、私は


『このままでいて、いいですか?』



“やっぱり彼がスキ”という気持ちを
心の奥深くに眠らせておくことをやめた。





「お前がいいなら・・・・」



だって

やっぱり

彼が

スキだから・・・・・






『今も、これからも・・・このままが・・・いいです・・・やっぱりアナタが・・・ナオフミさんのコトが、スキ・・・だから』




だからちゃんと自分の本当の気持ちを口にした。


他人からみたら、

“3年もかけてやっと果たすことができるようになった臨床心理士の夢をあきらめてもいい”

なんて、あまりも馬鹿げたことって思われるかもしれないけれど



『心理士よりも・・やっぱりナオフミさんのお嫁さんになりたい!!!!!!・・・です・・・・』


駅で、しかも人が多く行き交うホーム上でプロポーズしちゃうぐらい


それぐらい私には
彼が必要だった・・・・









ふわり・・・




「そうはいかないな。」



一瞬で私の身体を包んだ香り。

なにがなんだかわからないまま
私の身体は反射的に熱を帯びた。



“そうはいかない”


ようやく自分の気持ちに素直になれると確信した瞬間に
私の行く手を阻もうとしているようなその言葉を発したのは



ナオフミさんの悪友である入江サンでもなく

祐希の実の父親である康大クンでもなく

そして

決してブレない芯の強さを見せ付けられ、

一度は心を惹かれた・・・森村という人でもなく・・・・






「俺、また言葉が足りなかったな・・・・」


『ナオフミさん・・・』




他の誰でもない・・・ナオフミさんだった。







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