ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
だから、明るい声で帰る準備を始めようと俺を促した彼女に
自分の匂いがついたままじゃいけないから、いつもみたいにシャワーを浴びないの?・・・なんて微妙な質問を投げかけた彼女に
俺が彼女が見せたアヒル顔にキスを落としたことに対してイジワル!!!!と真っ赤な顔で反抗して見せた彼女に
『なあ・・・』
「ん?」
『本当に行ってもいい・・・・・か?』
そう問いかけた俺にひまわりのような笑顔でラジャと返事をしてくれた彼女に
俺は甘えずにはいられなかった。
この時の俺が甘えたのは
自分のことよりも他人を優先しようとする傾向が強い伶菜
だから、
俺が美咲を助けることよりも、伶菜と過ごす時間を優先したら、
それこそ伶菜が美咲に対して気を遣ってしまうんじゃないか?
それに、伶菜自身が美咲を助けに行ってあげてみたいなことを口にしている
だったら、いっそのこと、このまま迷っているよりも、
美咲のところへ行くとはっきりと伝えて
ちゃんと俺がすべきことをして
それで、伶菜を安心させてやることのほうが良いのではないか?
そう思ってしまった俺は、
『それじゃ、帰る準備しようか。早く出かけなきゃいけないしな。』
「うん、着替えるね。」
再び勢い良くドアをノックしている相手を拒否することをやめた。
でも、伶菜らしさに寄りかかって甘えてしまったこの時、
俺がその相手の依頼を拒否し続けていたら、
俺は、そして伶菜も
あんなにも悩んだり、迷ったりしなかったのかもしれない。