ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




「えっ?ナオフミさん?!」


『あっ、いや・・・前、見ろ、前!!!!!』


「きゃあああああ・・・間一髪・・・・セーフ・・・」



急ブレーキで追突事故はなんとか免れた。


「あの、その・・・カノジ・・・あっなんでもないです。」


どうやら俺の無意識なつぶやきによって運転手を動揺させてしまったようだった。
彼女って誰ですかって聞きたいんだろうな

“キミのことだよ”なんて言ってやればいいんだろうけど


『悪い・・・喉渇いたから、次のパーキングにでも停まってくれるか?』


そういうのはどうも、こっ恥ずかしくてな・・・


「は、はい・・じゃ、早速・・」


『そこ、インターだぞ。ここで高速降りるのか?』


「あっ、違う、違います!!!!!!まだですぅ~」


そういうクサイ言葉とかをサラリと言ってやれたら
俺はもっとすんなりと兄という立場を辞められていたのかもしれない



内科の三宅がでっちあげた政略結婚話
恋愛ではなく尊敬する先輩と後輩の仲である奥野さんとの関係
どうしても助けてやらずにはいられなかった美咲との出来事

それらについても上手に言い訳をしてやればよかったのかもしれない




「女医、看護師、薬剤師、教師・・・OL、女医・・・看護師・・・・薬剤」



そういえば前にもこういうことあったな
祐希が東京で手術を終えて名古屋に一緒に戻って来る時だった

伶菜は“俺の彼女はどういう人なのか”を勝手に思い浮かべて
お経みたいにブツブツと唱えて


もっと俺が器用だったら
彼女がこうやって余計なことに頭が占拠されたりすることなんてなかったかもしれないのに




『その中にはいないな。』


「えっ??あっ、その、あの、すみません、今の聞かなかったことに・・・」


もう兄という立場ではない今だけど
恋人であり同僚であるというまたまた複雑な関係になってしまったから

だから努力してみよう


『ここにいるから・・・・』


どんなに下手くそであっても
自分の想いとかをちゃんと彼女に伝えようとする努力を・・・



「・・・・・・・・・・」






< 507 / 542 >

この作品をシェア

pagetop