ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


『伶菜?』


「・・・きゃあぁ~」


『どうした?』


「通り越しちゃいました、サービスエリアあったのに・・・」


どれだけ伝わったかは微妙だが・・・・


「喉カラカラですよね?・・・どうしよう・・・あっ、このウーロン茶、取りあえずこれで喉の渇きを・・・」


そう言いながら俺のほうに振り返ることなく手渡されたペットボトル。
それをつい受け取ってしまった俺。



「うわあぁぁ」


『どうした?』


「すみません・・・それ、飲みかけでした・・・」


こんな彼女に振り回されるのも悪くない・・・なんかじゃない



「あっ、飲んじゃいました?・・・あっ、ホント、すみません・・・飲みかけ渡すなんて・・・間接キス・・・・間接キスぅ?! あっ、どうしよう・・・取りあえずそれこっちに返してもらえま」


振り回されて振り回す
不器用なんだろうけど
そんなのもいい
いや
そんなのがいい




ツン!!!!!!!







「あっ、パパがママにおでこツンした!!」


『伶菜、前向け、ぶつかるぞ!』


「???・・・きゃあぁ~」



不器用なら不器用なりに
俺ららしく前に進めばいい



『ほら、あと15km先にパーキングあるってさ。そろそろ運転代わるから。なんとなく危なっかしいしな。』


「だって、おでこにツン、とか・・・・」


『そういう顔するな。もっと、欲しくなる・・・だろ?』


「えっ?!ウーロン茶ですか?飲みかけでも?」


『いや、そうじゃ・・まあ、そうだな。』


「じゃあ、今度こそ口紅拭き取らなきゃ・・・」




お互いに不器用でも
心地いい場所が

ここにあるから・・・



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