ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
『・・・なっ、』
ナオフミさんがより近くに感じる
妹という立場ではなく、一人の女性として・・・
彼の言葉は短いけれど、彼の心の中をちょっぴり垣間見させて貰えた感じがして
素直に嬉しい
「いや、だから・・」
ルームミラー越しに目が合い即座に目を逸らした彼。
こんなに動揺する姿はきっと私しか見られないかもしれない
「だから、その、さっきは」
独り占めしたい
こんな彼を
「嘘じゃない・・・から・・・」
私の為に優しい言葉を一生懸命紡ぎだそうとしている彼を
でも、独り占めしたら毎日キュン死にしそうだけど・・・
゛ポーン♪目的地周辺に到着しました。ルートガイドを終了します゛
「・・・・・ふ~」
ナオフミさんは大きく一息ついた直後に車を停めた。
とうとう目的地付近に着いてしまった。
嫌でも現実に引き戻されてしまう。
でももともとは自分が蒔いた種であることは間違いなかった。
さあ、どうやって彼を目的地へ連れて行ったらいいんだろう?
どう言い訳すればいいんだろう?
正直に話して彼を引っ張って行くか
それとも
ウダウダどうでもいい話をしながら自然に彼の足をそちらに向けさせるか
でも、どっちを選んでも
彼の心の奥深くにあると思われる傷が疼くだろう
でも、避けては通れない
大切な人が・・・大切な人達がちゃんと繋がるために
私が彼を支える
必ず!
さぁ、行くわよ~!
「なぁ、伶菜」