ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
「おかえり、伶菜!祐希、おりこうにしてたよ。」
車を降りると、真里がかなり厚着をした祐希を抱っこしたまま玄関の外で待っていてくれた。
「マー♪」
私の姿を確認した祐希は嬉しそうな声を上げて私のほうに抱っこをせがむように両手を前に出した。
私も両手を前に出して祐希を受け取った。
たった1日離れてた我が子。
されど1日。
久しぶりに感じる祐希の体温のあったかさもお兄ちゃんの穏やかな声に負けないくらい心地よかった。
『真里、ありがとね。助かりました!』
「いいえ、ゴメンね・・・こんなコトになっちゃって・・・本当は日詠先生を呼び出すべきじゃないと思ったけれど、美咲さんっていう人の今後もあるしね。詳しくは入江さんから聴いているでしょ?でも伶菜なら日詠先生の立場とかをちゃんとわかってくれると思ったから、だから彼を呼び出したの・・・」
お兄ちゃんを呼び出した理由を申し訳なさそうに丁寧に語ってくれた真里。
美咲さんのトラブルについて入江さんにいまだに聴けていなかった私。
その入江さんは車を車庫に入れている最中で、それについて彼に尋ねてみようと思っても聞けない状態だった。
でも、母親という立場に戻った今は、それを知ろうとするよりも
目の前にいる祐希の昼食をどうするかのほうが優先課題
他人のトラブルのことをいちいち気にしている暇はない
自分にそう言い聞かせた。
でも本当のところは、それを知ることが怖かったんだと思う。
それを知ったら、お兄ちゃんと美咲さんの関係が気になってしまって
自分自身までも見失いそうだったから・・・
『うん。聴いた。大丈夫だよ。』
だから私は真里に詳しく事情を聴かずに、そして彼女にこれ以上気を遣って欲しくなかったから、笑いながらそう返事をした。