会長候補はSweets☆王子!?
「姫、大内君。今ここにいない人のことを、そんなに悪く言って笑ったりしちゃダメだよ」

 塚本さんは、俺達をたしなめるように注意する。
 
 俺は、怒られながらも、彼女の真っ直ぐで曲がったところが嫌いな性格に感心していた。


「亜美ねえ、それで池永隼人君の立候補届は受け取ったの?」

「……だから、まだ誰が立候補するかは、いくら姫だからと言っても教えられないよ」


「会長、構わないじゃないですか。
 西村さん、実はまだ受理出来ない。色々と問題があってね」

「問題?」

「そう。立候補するに値しない、あまりにもふざけた姿勢や、売名行為と判断出来る場合に関しては、生徒会執行部は【候補予定者の立候補届を受付拒否出来る】ことになってるんだ」


「それに、池永隼人候補は当てはまると? そういうこと?」

「ああ。僕は少なくともそう判断した」


(『恋愛解禁条例』なんて、神聖な学び舎で生徒会長が掲げる公約として、決して相応しいとは言えないだろ。
 俺は、さっきも塚本さんにそう進言したんだが) 
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