会長候補はSweets☆王子!?
『大内君、学校内で素敵なカップルがいっぱい出来て、お互いに人間的に高め合って学園生活送るようになれれば、それはそれでいいことじゃないのかなあ?』


 まるで、池永のトンデモ公約を後押しするかのような発言に、俺は心底あ然としてしまった。


 俺は、仮に会長が……塚本さんが納得したとしても、これまで俺達で築き上げて来たものが、全部無になってしまうのは受け入れられない。


「大内さん、亜美ねえ、池永隼人が立候補したと仮定して、当選する確率はどの位だと思う?」

 西村姫子は、淡々とした顔でそう問い掛ける。


「ゼロパーセントだ。誰もあんなおバカ男子、相手にしないって」

「さ、さあ? 亜美菜はそういうの分からない」


 西村姫子は、一瞬目を閉じるとまるで何かを暗算するかのように、机の上で指をトントンと軽く叩いて

「立候補前段階で、潜在的投票率40パーセント」

 そう言い放った。


「……西村さん、どういうことかな?」

「池永隼人は、男子生徒からは激しい反発を持たれる一方、女子生徒たちからは非常に広範囲で人気や支持を集めることが可能な人材よ。
 彼の交友関係には、池永隼人という『人間のブランド』に投資しようと考える男子生徒も少なからずいるはず」
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