夢の中の世界
自分たちの通う学校で、そこまで考えのない教師がいるとは思えなかった。


再び、教室内に重たい沈黙が広がりはじめる。


「みんな、とにかく一旦落ち着こう。まさか、このまま教室から出られないってことはないはずだ」


気を取り直すように、恵一がみんなの顔を見回して言った。


「外はまだ明るい。きっと、誰かが異変に気が付いてくれる」


必死でみんなを元気づけようとしているのだろう、恵一の声はやけに明るい。


しかし、内心は不安と恐怖で溢れているようで、恵一の顔色もみんなと同様に悪かった。


「そうだよね! きっと大丈夫だよね!」


あたしは恵一に習って元気よくそういい、軽い足取りで窓辺に近づいた。


外はとても天気が良くて太陽は真上に浮かんでいる。


教室の時計を確認するとちょうど12時を指していた。
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