夢の中の世界
そして、再び窓の外へと視線を移動させる。


その瞬間、違和感が胸をざわつかせた。


「ねぇ……恵里果。ちょっと来て」


思わず手招きをして恵里果を呼んでいた。


「どうしたの?」


恵里果があたしの隣に立ち、太陽の光に目を細めた。


「街を見て」


あたしは窓の向こうを指さして言った。


一見、いつもと変わらない街並みが見える。


だけど、その光景は異様だったのだ。
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