手招きする闇
7 一年生の教室が並ぶ校舎 一階

理子「やっぱり居ない」
哲司「今日は出て来たくないんだろ」
理子「そうかもね」
      
 彩萌、俊樹の腕にしがみ付いている。
 ちらっとそちらに目をやる理子。

彩萌「ねえねえ、早く帰ろうよ」
洋介「俺、職員室にデジカメ返してもらいに行って来る」
哲司「おお。それじゃ俺達先に行ってるぜ」
洋介「ねえ、彩萌、K-POPのライブ行かない?」
彩萌「これから?」
洋介「うん。八時から中央公園野外ステージであるんだ」
彩萌「で、誰が出演するの?」
洋介「よく知らねー」
彩萌「もー、洋介いっつも詰めが甘いのよ。でも、行ってみようかな~」
洋介「ホント? よし、それじゃカメラ取って来るから、靴箱で待ってて」
彩萌「わかった」
       
洋介、職員室に猛ダッシュ。
  
彩萌「ねえ、理子も行かない?」
理子「やめとく。私はお邪魔でしょ」
彩萌「そんな事ないよ~」
理子「あんたは良くても、洋介はがっかりするよ。折角あんたと二人っきりでデート出来るんだから」
彩萌「もう、理子まで・・・。私、あいつの事なんか何とも思ってないんだからね」
理子「はいはい。でも、今日は彩萌が洋介に付き合ってあげなよ」
彩萌「私は、ただK-POPが好きなだけよ。ゲスト、誰だろ」
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