君のとなり。
その言葉にうつむいた。

鳴海くんの言ってることは
1つだって間違ってない。

自分の気持ちを言わなきゃ
いけないのなんて分かってる。

「言いたくないことだって、
あるじゃん。鳴海くんにぜんぶ
言わなきゃいけないの?」

ベッドから立ち上がって
足早に保健室を出た。

あんなこと言ったら
ダメに決まってるのに。

あんなことを言う
つもりはなかったのに。

「......私のバカ。」

教室に戻ると何やら
クラスメートたちが
いつもよりざわざわとしていた。

何してるんだろう。

そう思ったとき、机の中に
しまっていたルーズリーフが
なくなっていることに気付く。
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