美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
教室の参加者は15名。

いずれもインターネットで公募したメンバーだ。

ホームページの片隅にはられたバナー内の短期間の公募。

敢えて大々的に宣伝せず、穂積ソワンデジュブのことを純粋に追いかけてくれているファンだけが見つけることの出来る、ロックナンバー付きの公募だった。

だからこの日教室に参加していたのは、穂積ソワンデシュヴのヘアケア製品の熱烈なファンばかりなのだと、後で店長が教えてくれた。

しかし、商品を愛用してくれているとはいえ、それが理由で身元を明らかにするのには抵抗がある消費者も多い。

なぜなら、一度興味を示したら最後、その後もしつこく送られてくるダイレクトメールに辟易している場合も多いからだ。

この教室の人気は、その匿名性の高さを維持できる点にある。

応募者は、まずネットで、年代と性別を登録する。

その後、割り当てられた当選番号の証明書を印刷もしくはスマホに保存して持参すれば参加が確約される。

教室に参加した後、希望があれば、新商品のお知らせやダイレクトメールの送信などのアフターサービスも受けることができる。

朔也は、そんな店舗内のイベント企画書を見ながらも、完全に部外者意識で教室に参加していた。
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