美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
その日集まったメンバーは、10代から60代までの女性で、男性は朔也一人だった。

朔也は、敢えて一番後ろの角の席に座り、控えめに教室に参加した。

元々ヘアケア製品に興味はない。

どうせなら今学んでいる経営者の目線で、この穂積堂を評価してやろうと、朔也は不敵なことを考えていた。

前方の席から、チラチラと女性達の視線を感じる。

朔也は外見がいい。

年頃の若い男性の参加に、出会いとか運命とかをそんな安直なことを期待しているのだろうか?

明らかに年上の女性達に色目を使われて、朔也は゛またか゛とうんざりしていた。

穂積堂は、ヘアケア製品の直売店という気安さから、馴れ馴れしくバイトの朔也に声をかけてくるお客も多かった。

中には商品を見るというよりもイケメンを見に来るという明らかな冷やかしもいた。

そんなことが何度も続くようになり、最近では、朔也は販売員ではなく、商品補充や包装などの裏方を担当するようになっていた。

゛今日も面倒なことになりそうだ゛

教室の最初から、朔也の周りには、早くも暗雲が立ち込め始めていた。

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