美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「い、いいんですか?ズルしたって思われないかな・・・?」

ブツブツと独りごちる少女が微笑ましい。

「フッ・・・押し付けられてんのにズルなんて思う奴いるかよ」

どこまでもツンツンな朔也の言葉を聞きながら、じっと見つめ返してくる少女の瞳から目が離せない。

「・・・お兄さんの髪とても綺麗ですネ。真っ黒で艶めいて・・・。興味ないって言ってても穂積の商品を大事に使ってるのはわかりますよ」

フフっと笑みを溢した少女は首をかしげながら

「でも私は図々しいから、遠慮なくこれ貰って帰ります。ありがとう」

と言った。

「LUV(ラブ)、そろそろ行かなくちゃ。パパが待ってるわ」

呼び掛ける少女の母親らしき女性。

おじきをして駆け出す少女のサラサラと靡く髪・・・。

その美しい光景に心を奪われているうちに、朔也はまんまと少女と知り合うチャンスを逃してしまったのである。
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