美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
公園に置いてけぼりにされた瑠花は、フゥッとため息をついた。

あの二人の部下だった5年間、こうやって脅されるのは日常茶飯事だった。

だが、瑠花は、己の信念に反することだけは絶対にやらなかった。

゛妥協はしても不正はしない゛

だからこそ一定の成果を出し続けることができたのだ。

瑠花は気を取り直して、前を向くと、駅に向かって歩き始めた。

考えすぎても仕方がない。

今の直属の上司は彼らではないのだ。

橋沼や穂積の掛け合い漫才のようなやり取りがふと思い出された。

あの、マイペースを絵に描いたような二人が、今の瑠花の上司。

「こんな日はヘアケア商品巡りだ!」

瑠花は自分を鼓舞してドラッグストアやショップを巡ることにした。

最後はお気に入りのカフェチェーン店でコーヒーを飲んで、集めた情報をノートに整理してマンションに帰る。

そんないつものルーティンワークをこなしながら楽しむアフターファイブを期待して、瑠花は意気揚々と街中を駆け出した。
< 54 / 164 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop