空~君は何者~
3日後、検査結果を聞くために病院に行った。その頃には右腕は、アイスのようにドロドロと溶けていたことが嘘のように綺麗にくっ付いて、十分に元の機能を果たしていた。
「内臓に異常はありませんでした。」
ほっとした。しかし、なぜだか医者は浮かない顔をしてしている。
「内蔵のサンプルを取ったところ、あなたの体組織は融点だけではなく沸点も低いくいことが判明しました。落ち着いてください。そんなに珍しくはありませんから。」
沸点が低い??一体どういうことだ。
もう落ち着いてなんていられなかった。右手が突如落ちるという摩訶不思議な現象を目の当たりにし、「融点が低いですね」などと言われたのだ。そして、今度は「沸点が低い」ときた。冗談じゃない!
「落ち着いてと言っているでしょ!、ほら、頭が沸いてきていますよ。」