Rainy day
「じゃあ、これ」

翌日、週末のレース用のパドックパスを沙織に渡した。

「わあ!ありがとう〜!!」

沙織はパスを頭上に掲げて喜んでいた。



それを見て、可愛いな、なんて。

最初は全然恋心なんて、なかったのに。

この先もないって思っていたのに。

俺は大きくため息をついた。



沙織は大事そうに鞄の中へパスを入れると、俺を見て笑った。

俺も微笑む。



恋ってこんなものなんだろうか。
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