Rainy day
去年から全日本へ上がって今年2年目。

GP250というクラスで走っている。



「そーちゃん!!」

サーキットに入って。

あ、アホ面がやって来た。

「元気〜?」

「この前、会っただろ?」

屈託ない笑みを浮かべるのは、同い年の池田 隆道。

小さい頃からサーキットで一緒に走っているので仲の良い友達であり、ライバルでもある。

けど、最近では隆道の方がうんと上手いし、あちこちから注目されている。

「そーちゃん、来年もK−Racingなの?」

いきなり。

何を聞いてくるかと思えば。

「そうだよ。
卒業したら就職もそこだし…
隆道は?」

「俺は多分、移籍するよ」



聞けば。

めちゃくちゃ有名なチームだった。

自分の走りに専念出来る、ライダーとしては願ってもないチャンスだ。

「まあ、隆道なら大丈夫だよ」

隆道なら。

俺よりも才能あるし、いつかはトップに立てると思う。

…昔は逆だったけど。
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