雪に咲く華
午前・午後の授業を終え、帰り支度をしているとクラスメイトがいそいそと廊下に出ていくのが見えた。
男子も女子もまるで有名人を見るかのごとく目を輝かせている。
「キャー!!」
「由希様ー!」
「今日もかっこいい…!」
主に女子からの歓声がすごい。しかもその声どんどん近づいてくるんですが…。
嫌な予感ほどよく当たるもので、教室に入ってきたその人は一直線に私のところへやってきた。
私の苦手な作り笑いを貼り付けて_
「君が転校生?」
「…はい」
「少しだけ時間を貰えないかな?ついてきてほしいところがあるんだけど」
言い方はお願いしてるように聞こえる。でもこの人の目、有無を言わせない目だ。
嫌だなんて言わないよねっていう圧力。
多分逃げても無駄だと悟った私は
「わかりました」
という他なかった。