雪に咲く華


「真っ白...」


次の日、倉庫で勉強を始めて早1時間。真と颯の前に広げられたノートには見事に何も書かれていない。ちなみに教科は国語。


「内容全然意味わかんない」

「大体これ何語だよ!俺は日本語しかできねえんだ!」

「昔の言葉だけどちゃんとした日本語だよ。授業で習ったでしょ?」

「「授業聞いてない」」

「...」


そうだった。この人たち授業中寝てるんだった。このままだと本当に夏休み返上になりかねない。


「...わかった。私が教える」

「「まじで⁉」」

「葵ちゃん、自分の勉強もあるのに大変だよ?その2人の面倒見るの」


どことなくげっそりした顔でアドバイスをくれる信乃。おそらく、何度も酷い目にあったのだろう。


「ありがとう、信乃。でも大丈夫だよ。やれるだけやってみるから」

「でも...」

「ほんとに大丈夫だよ。葵はめちゃくちゃ頭いいの。教えるのも上手なんだー!」


なんで咲が得意そうなのかはわかんないけど、まあいっか。


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