雪に咲く華

「久しぶりだね、咲」


咲は笑いかけた私のところに飛んできて、ギューッと抱きつく。


「おかえり葵!寂しかったよー」


少し涙声の咲の背をトントンと叩き、ちらっと周りを見ると全員目を見開いて固まっていた。

そりゃそうだよね。部屋に入った途端抱きつかれてたら誰でも驚くよ。


「咲、ちょっと離して。みんなびっくりしちゃってるから」

「うん!」


咲は大人しく離れて最初座っていた位置に戻った。けど、ずっとこっちを見てニコニコしている。

やっぱり咲を見てると心が癒されるなぁ。

それにしても、これどうしよう。とりあえず、相原先輩の前でヒラヒラと手を振ってみる。


「っ、ごめん葵ちゃん。どうぞ座って」


やっと動き出した先輩は手でソファーを示し、自分も腰かけた。
私は咲の隣に座り、用意してもらったジュースを口に含む。


「で、こいつ誰なんだよ由希」

「転校生だよ。しばらくここに出入りするから」


ギロっと私を睨むように見る緑髪の人。その人に相原先輩は平然と言い放った。


「はあ?!どういうこ「とりあえず自己紹介しなよ」っち、わかったよ」


相原先輩強い。緑髪さんを一瞬で黙らせちゃった。


「俺は落合真。2年で双龍の幹部だ」

「同じく2年の尾崎信乃。よろしくね」

「…2年、小早川颯」


緑髪さんが落合くん、藍髪さんが尾崎くん、オレンジ髪さんが小早川くんか。よし覚えた!


「2年、水瀬葵です。よろしくお願いします」

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