雪に咲く華


「あとはお前らを片付けるだけだな」

「ああん?」

「調子に乗んじゃねえよチビが!」


気持ちいいくらい挑発に乗ってくれて助かるよ。

拳を大きく振り上げて襲い掛かってくる彼ら。パワー任せの単純な攻撃だ。

それじゃあ私には掠りもしないよ。


「がはあっ」

「うっ...」


相手の懐に潜り込んで急所を突く。

あの場所で、玖蘭で、強くある術を身につけてきた。

たった1年、実戦から離れただけではしみ込んだ動きは衰えない。さほど苦労せず、大の男を地に沈めることができた。



さてと、次の場所に移動しましょうか。

そのまま男たちを放置するのは流石にまずいので近くの病院に一報入れてあげた後、静まり返った路地の奥へ足を進めた。

ちょっと移動するだけで吃驚するくらい不良集団と対面した。

黄牙やその傘下の族が双龍の子たちを襲ってる場面に遭遇する度、殴って蹴っての繰り返し。

ボコボコとまではいかないけど暫くベットの上で安静を言い渡される程度には動けないようにしたつもりだ。

が、如何せん出会う数が半端なく多い。人数もだけど回数が。襲う方も襲う方だけど、下っ端の子たちを安易に外に出さないでよ。抗争前でしょ?

途中からちょっとムカついてきて一人でブツブツ心の中で文句を言いつつ、黄牙の連中を片付けていった。


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