君の世界を知りたかった。
「ご、ごめん!」


私は耐えきれなくなって屋上へ向かった。

涙が出てしまう。見られたくない。

特に宇佐美くんには。


「……っ……ふ、は、」


涙で顔がグショグショだ。


屋上のドアを開けると、昨日と同じ空とは思えないほどの綺麗な青空が広がっていた。

遠くの方でカラスの鳴き声が聞こえてくる。


ここは、なんていうか気分が落ち着く。


▷▷制服が汚れるのを気にせず床に座った。


──キーンコーンカーンコーン。

チャイムがなった。

授業が始まったんだ。

でもそんなこと、私には関係ない。

今は授業を受けられるほど余裕な心が、私にはない。


──ガチャッ。


屋上のドアが開く音がする。

入ってきたのは宇佐美君。

なんで?

授業をサボってまで私のところに来る必要ある?


「何しに来たの?」

「三井を探しに来たんだ」

「探さなくていい。また彩奈に勘違いされる。悪いけど、もう関わらないで」

「嫌だ。そんなこと言うな」

「なんで?私といてもなんの得もないよ?」

「別に得とかいらねぇし、あと、お前は悪くない」

「は?」

「さっき、"私が悪かったから"って言ってたけどそんな事ない。悪いのは櫻木だろ?むやみに割り込んだ俺も悪いと思うけど、1番悪いのは櫻木だ。だからお前が謝る必要はない」

「だとしても、もう、いいから」

「自分を悪いと無理やり思うのは良くない」

「なんでそんなに私につっかかるの?」


「三井、お前自分を偽って生きてるだろ」
< 9 / 13 >

この作品をシェア

pagetop