追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 絡む視線はそのままに、クロフに取られた手が、ギュッと握り込まれる。
「そうしてアイリーン、この結婚話はあなたにとっても、大変益のある物となるでしょう。あなたが私の獣姿を好ましく思ってくれているというのは、私の自惚れではないはずですから。もし、私を選んでいただけたなら、私の毛皮は生涯、あなただけのもの――」
 クロフの研ぎ澄まされた美貌が艶やかな笑みを結び、形のいい唇が低く囁いた次の瞬間――。

 ――ポポンッ!

 私は獣姿に変化したクロフのサラサラモフモフの毛皮に、すっぽりと抱き締められていた。驚きや戸惑いを覚えるよりも前に、圧倒的な気持ちよさが私の思考を停止させる。
 そうこうしている内に、「さぁ、首回りの一番やわらかなところも、どうぞ遠慮なく」と、声なき声で囁かれ、誘われるまま首回りへと手を伸ばす。
 ……ぅ、う、うわぁあああああ~っっ! なにこの極上モフモフ~!!
 モフモフの感触が、触れた部分から私をとろとろととろかす。停止中の思考まで、もれなくとろけた。
 当然、思考がとろけてしまえば、理性だってとろけている。
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