かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 私も、一時期――ある一時期、独りぼっちだった。
 自分から、他人を寄せ付けなかった。
 あるひとの――幼馴染の、それでいて初めての恋人の、祐太の存在で。
 祐太が病気で亡くなってから、私は他人と距離を置くようになっていた。
 置くようになった、というか。
 表情、感情をなくしてしまった私に声をかけてくるのは、物好きだと。
 それでも、森村瞬――純と同じ軽音の仲間は、私に割り入ってきた。
 身も心にも、その字通り、割り入ってきたのだ。
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