かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 私が離れていったら、さすがの純も黙っちゃいない……。
 恋は駆け引き……。
 私はそんな言葉をぶつぶつと反芻しながら、自分の教室へと戻った。
 ランチのチャイムがキンコンと鳴った後、クラスへ戻ると。
 ごく、自然に。私が見る限り、ごくごく自然に、純と、香花ちゃんは、机を並べていた。
 三角状に、私の席も設えてあったけれど。
 私が着席する頃には、ふたりの会話は成り立っていて、入る隙がなかった。
「……澤石さんは、歌を唄ってなさるのね」
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