かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
この香花ちゃんの控えめな喋り口調が、嘘のようだ。
 澤石くんが好き、と、宣戦布告をしてきたあの真っ直ぐで力強い物言いとは、全く別だ。
 私が席に座ると、純は私を見て、うん、と頷いた。
 香花ちゃんの視線は純に向いたままだ。
「でも、バンドなんてやってるのなら、作詞作曲とかなさるんでしょう」
 私はお弁当を取り出し、包みを開けた。
 黙ってふたりの成り行きを見ていようと思った。
 そしたら話題がすぐこちらへ振られた。
< 134 / 400 >

この作品をシェア

pagetop