かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「……柚実さんは、何か文学に精通してるの?」
 ちょっと棘を感じたその言葉に、私は笑顔で返す。
「いや。文学なんて、国語の教科書以外には読まないわ」
「でも柚実、去年、市の文学賞で賞とったよな」
「いやまあ……まぐれかもね。ビギナーズラック? みたいな?」
「私も柚実さんの書いたもの、読んでみたいわ」
「うんまあ……、そのうち、ね」
 こんなに喋る子だったのね、香花ちゃんって。
 初めは自分から行かない子であって、ちょっと間口を開いたらずんずんと進んで行くような子なんだろうな。
「そうだ、放課後、文芸部に遊びにきませんか?」
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