かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 私は下から先生をじっと見る。
 先生はその視線に気づき、見返してくる。
「先生、親父……」
「まだ20代だ」
「私なんて10代だもん」
「学生と比べるな」
「ふ~んだ」
 高野先生といると、何だか素の自分になる。
 どこか甘えた口調になるのも、きっと本当の自分のうちなのだろう。
「それより、朗報だ」
 私は一筋の光を見た。
「なに?」
「近々、物理の小テストをする」
 光は、幻だった……。
< 141 / 400 >

この作品をシェア

pagetop