かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「純くん、帰りに図書室行かない? また作品書いてきたの」
 いつの間にやら香花ちゃんは彼を“純くん”とまで呼ぶようになっていた。
 傍にいた私は、耳をぴんと立てた。
 日に日に、ふたりは親しくなっている。
 というか、香花ちゃんの方が積極的になっている。
 孵化して初めて見た鳥を、親と思うのと一緒で、初めて仲良くしてくれた男子に、恋をした、と勘違いしているんじゃ……。
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