かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 私は一瞬一瞬を見逃さないように、夢中で目に焼き付けた。
 ものの数分の映像だったけれど、それは充分に私を惹きつけた。
 こういう歌詞を――こういうパッションを、私もカタチにしたい。
 純とは決別しているものの、散文を紙に焼き付けたい――。
 私は母の次にお風呂に入るということを忘れ、駆けあがるようにして2階の自室へと向かった。
 勢いそのままに、机に置いてあった雑記帳を広げ、ペンを執り、がしがしと歌詞を書いていく。
 思いつく言葉、思い、空気、色――そんなものを散文としてしたためた。
 しばらくヒートアップしていた。
 そして息をつき、ペンを置く。
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