かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 書いたものを手にし、ぺらぺらとその数枚をめくってみる。
 だけどどれも納得のいくものはできなかった。
 今の私の心情と、作品は一緒だ。
 行く着く場所がなくて、迷いがある。
 私はふと思い立って、机の一番下の引きだしに手を掛けた。
 そこには、去年瞬の勧めで応募した、市民文芸賞詩部門の、入賞した証の賞状が入っていた。
 ――こんなもの、何の役にもたたないし、何の意味もない。
 私は惜しげもなく、ビリビリとその賞状を破りだした。
 夏に降る刹那な雪のようだった。
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