かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 あの頃は、純に対して仄かな思いを覚え始めていた。
 クラスも違ったし、中々会う機会もなかった。
 瞬を介してでなければ、接することもなかった。
 純と私は、つかず離れずの距離だった――。
 あの頃が一番幸せだったのかもしれない。
 蒼く滑らかに見える山々だって、近づけば土や岩でごつごつしている。
 遠い存在でよかったのかもしれない。
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