かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 その日、私は珍しく高野先生が業務を終える時間まで校内にいた。
 誰かさんと出くわすかもしれない図書室は避けて(ほんとは冷房の効いたそこに行きたかったのだけれども)、同じくもうひとりの誰かさんと遭遇するのも嫌だったので、自分の教室にはいなかった。
 私がいたのは、去年1年生だった時のクラスルーム。
 何だか、初心に還りたかったのもあるかもしれない。
 まだ、祐太のことを引きずっていて、うまく笑えなかった。
 瞬との出会いで、こころ解された。
 この教室で、弓佳となっちゃんと3人でよく机くっつけてランチしていた。
 そこへ、毎日のように瞬が混ざるようになった。
 ……何だか、たった1年前のことなのに、懐かしい。
 私は机にうつ伏した。
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